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「天罰」よりも「我欲」について考えよう

震災後の石原都知事の「天罰」発言が物議をかもしたのは、まだ記憶に新しい。



ただ、個人的には、この問題は(相当有名で、かつ万人に愛されているとは言い難いキャラを貫いている)都知事という立場にある人が、一般大衆やメディアの反応もよく考えずに「天罰」という言葉を使ってしまったという「広報的な失策」であると考えている。

一方、発言のポイントである「日本人のアイデンティティとなってしまっている我欲を、この津波を機に、1回洗い落とす必要がある。」という問題提起については、「けしからん」で片付けてしまうのではなく、真摯に受けとめ、考えてみる必要があるんじゃないだろうか。

実際、この発言を非難しながら、多くの人は、まさに「我欲」丸出しで、乳幼児がどうなろうが知ったこっちゃないとばかりに、水の買い占めに走っている。

ネットを見ていると「こんな時期にXXをするとは不謹慎」「こんな時に電気を煌々とつけているとはけしからん」などといった発言も多く飛び交っているが、これもまた「被災者に同情し、そして支援・復興に協力していると思いたい」という、被災していない人々の「我欲」を満足させたいがゆえの、どうでも良い話だ。

一方で、企業や団体も、「不謹慎狩り」に遭いたくないという「我欲」から、これまた後先も考えず、イベントもCMも「何でも自粛」で思考停止している。

センバツ高校野球の開会式の入場行進が無くなったのも、震災を受けた簡素化だというから呆れるしかない。出場を勝ち取った高校生たちの晴れ舞台に水をさして、自粛ムードに浸って悦に入っている人たちが「我欲」を満たしているという異常な光景。

最近、テレビで被災地の様子を映すとき、テレビは、判で押したように「いま、私たちに何ができるのか?」というタイトルを付けるが、これに至っては、ほとんど偽善じゃないかとすら思える。

日本人の我慢強さや礼節を褒め称えている海外メディアもあるらしい。そして、それを読んで悦に入っている人たちの「我欲」がまた満たされているのかと思うと、これを洗い流すのはなかなか難しそうだ。

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