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【読書メモ】地下鉄は誰のものか(猪瀬直樹)

都営地下鉄との経営統合に反対する東京メトロ。この「抵抗勢力」との戦いの記録なのかと思って買ってみたが、その点では、ちょっと肩すかし。おそらくは、著者が推進する東京メトロと都営地下鉄の統合について、今ひとつ、世論が盛り上がっていないので、そのPR(ないしは問題提起)のために書かれた本なのかな、という印象を受けた。

だが「(都心を走る儲けの約束された)地下鉄利権」を巡って、東急グループの創始者である五島慶太が、戦前、権謀術数の限りを尽くして戦う中で、大東急グループが築かれていくドキュメンタリー、として読むと、非常に面白い一冊。

ちなみに、五島率いる東京高速鉄道は、東横線の都心への「延伸」を狙って渋谷から新橋に向かって地下鉄を堀り、既に浅草から新橋まで地下鉄を開通させていた東京地下鉄道という、もう一つの民営地下鉄会社と新橋で激突。

これを収集して「帝都高速度交通営団」に統合させたのが、後に総理大臣となる佐藤栄作だった、などという話は、今度、誰かと地下鉄に乗った時に、ちょっと話してみたくなる。(笑)

ちなみに本書では、経営統合のメリットとして乗換えの利便性と統一運賃による実質的な値下げが強調されているが、個人的には、もし、経営統合によって24時間運行への道筋が開かれるなら、ぜひ賛成したい。

都内のカフェやレストランはどこも10:00〜10:30でラストオーダー。これは、おそらく従業員たちが終電で帰れるギリギリの時間なのだと思われる。このため、仕事を終えて、夜遅く食事でできるところといえば、タバコの煙が充満する居酒屋か、さもなくば、ファミレス・マックあるいは牛丼。車で移動していても、たいていの駐車場は、係員が電車で帰れなくなるので、やはり11時くらいで終了。

これじゃ、東京は、いつまでたっても「大人が遊べる街」にはならないと思うのだが。

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